こんな物もプラスチック?
台風が通過しましたが、大きな被害が出なくてよかったですね。ただ台風シーズンはまだ続きますので備えはしっかり
しておきたいものです。
さて、本日はプラスチックで作られている意外な物をご紹介させて頂けたらと思います。プラスチックの歴史はまだ浅く、
日本では戦後の石油化学事業の拡大を受けてやっと大量生産されるようになった状況です。
このプラスチックは生産・加工のしやすさや量産性が支持されてさまざまな素材に取って代わるようになりました。
「今やこんな物もプラスチックなの?」という意外な物をいくつかご紹介さえて頂けたらと思います。
まず1つ目は「車の外枠(フレーム)」ですね。以前ご紹介したプラスチックマーケットの協力工場である東和プラスチックスさん
では車載パーツを射出成形で製作しており、内部パーツで使われることは想像がつくのですが、外枠(フレーム)にプラスチック
使用となるとあまりピンと来ない方も多いと思われます。
外枠(フレーム)に使われるようになった素材の名前は「CFRP」でまたの名を「炭素繊維プラスチック」と言います。
自分は以前に車のボディパーツを製作している業者さんのショールームで実物を見たのですが、車の外枠(フレーム)が
かなり軽くて、自分一人で簡単に持ち上げることができたので非常に驚きましたね。。
車の燃費競争の激化から、各車メーカーは電動化や車両の軽量化の推進に取り組みはじめています。
車の部材もこれまでの鋼主体から軽量なアルミや樹脂の導入が拡大しています。
ただ、樹脂にして軽量化が図れるとしても「鋼」の強度が出せるのか?そこは疑問に思う方も多いかと思います。
そこで鋼とCFRPの比較をしてみます。
比重 鋼 7.8 : CFRP 1.8 →鋼の1/4の軽さ
引張強度 鋼 1 : CFRP 10 →鋼の10倍の強さ
コスト 鋼 1 : CFRP 10 →鋼の10倍の高さ
そもそもCFRPってどんなプラスチックなのか?樹脂に強化材として炭素繊維を混ぜた炭素繊維強化プラスチックであり、
航空機やレーシングカーに先駆けて使用されたようです。車両の軽量化による燃費向上やCO2排出量の削減を目指して
各メーカーとも導入に着手しはじめたものの、前述したようなコスト高や耐久性に懸念がありました。
ですが近年は徐々にそれらの課題は解消されつつあるようです。
そして2つ目は「浴槽」ですね。以前からプラスチックじゃないかと言われたらそうかもしれませんが、一昔前は石を積んだ物
だったり陶器だったり木製だったりしましたね。
今の浴槽でもっともよく使われている素材が「FRP」で、またの名を「ガラス繊維プラスチック」と言い、先ほどのCFRPと同様の
繊維強化プラスチックになります。保温性や耐久性、耐衝撃性に優れていて、やわらかく肌触りが良い反面、汚れが付きやすいのが
ネックのようです。(ただ拭けば取れるようです)
そしてアクリルの仲間である「人口大理石」も忘れてはいけません。樹脂を加工して天然の大理石のような仕上がりにした素材
ですね。加工がしやすいのでデザインのバリエーションが豊富で耐水性や防汚性にも優れている反面、価格が高いのがネックの
ようですね。
3つ目が「電車のつり革」ですね。つり革は当初「ユリア樹脂」という「尿素」と「ホルムアルデビド」の重合反応によって製造
される樹脂であり、石油由来のプラスチックとは別物でした。ただ近年は優れた物性を持つ「ポリカーボネード」に置き換わって
来ております。その強みを上げると①耐衝撃性が高い ②耐熱性が高い③難燃性が高い などが挙げられますね。
特に①の強さはガラスの50倍以上なので、毎日繰り返して負荷がかかるつり革には最適だと思われますね。
そして最後は「消しゴム」です。ゴムというくらいなので元々は「ゴム」でした。ですが、文字が良く消える塩化ビニル(PVC)
素材の方にシフトして行き、いまやプラスチック以外の消しゴムを探す方が大変になってますね。最近ではPVCに含まれる
「可塑剤」を使わない消しゴムも増えてきています。「可塑剤」=「フタル酸エステル」でプラスチックに柔軟性を与えるために
添加しますが、体に有害とされています。
ちなみにプラスチックマーケットを運営するワーズウィズの埼玉工場では、この「可塑剤」を入れずかつ「耐衝撃性」を上げる
板を開発してメガネ用の板を製作したこともあります。今度はこの埼玉工場で今開発が進んでいる「再生アクリル板」についても
ご紹介させて頂けたらと思います。そして展示会リンクも↓↓