キャスト板工場の水槽について
ここ何回かワーズウィズグループでプラスチックマーケットの協力工場のご紹介をさせて頂いておりました。
今回も引き続き工場のご紹介をさせていただきます。
本日ご紹介させて頂くのはキャスト板製造を行っているワーズウィズ埼玉工場になります。
以前も取り上げさせていただきましたが、キャスト板製造工場であり、さまざまな素材開発が行われている秘密工場と
呼ばれています。
過去の記事(2022/2/27)↓↓
http://アクリル板開発の秘密工場 – プラスチックマーケット | アクリルや合成樹脂加工のトータルネットワーク (plasticmarket.co.jp)
あまりオープンにできる情報が少ないのですが、今回はキャスト板を重合するために使用される水槽とその時間について
ご紹介させて頂けたらと思います。
まずキャスト板を製作する前段階として行われるのが、「予備重合」。サラサラとした液体アクリルをかき混ぜて重合させて
粘度を出します。粘度が出たところでその液体アクリルに染料や顔料を加えて色を出し、ガラスの上に出して必要に応じて
柄を描いたりして、2枚のガラスに挟んで固定してから水槽に入れます。
この水槽に入れる手間も、板のサイズによって全く異なります。
まず「雑貨板」と呼ばれる定番サイズが600×750mmの板については薄い板を中心に(2mm~5mm)定期的に生産されて
おります。定期的に生産されているため手離れもよく、5mmまでの厚みなら水槽に入れて重合させる時間は半日くらいで
済みます。
雑貨板用水槽↓↓
板厚が増すほど水槽に入れて固める時間が増えて行きます。10mmだったら2日間、15mm以上なら3~4日間は水槽に
入れて固める必要があります。
そして「3.5SQ」と呼ばれるおおよそ1000mm角の大型板を生産する場合は、水槽も違う、製法も違う、手間のかけ方も全く
違うため、ほぼ別物の生産と考えて良いと言えます。3.5SQ用の板を生産するための専用プラントを工場長自ら設計して新たに
建設したのが、5~6年前のことになります。
3.5SQ専用プラント↓↓
その専用プラントを増設したきっかけは、当時ワーズウィズで仕入れていた輸入材が突然廃盤となり、急きょ後継板を手配
する必要が出てきたためです。廃盤となった輸入材はその意匠とスペックともにこだわって生産されていた板だったので、
後継の素材選びは難航しました。最終的に自社で生産するというチャレンジを行い、見事に輸入材の後継板の生産に成功
しました。
板のサイズでは以上の種類ですが、この埼玉工場で継続的に取り組んでいるのが、再生板の取り組みになります。
「キャスト再生材」という名前で不要になったアクリル板を粉砕して、板に入れて再生産するという取り組みを継続的に
行っております。それに加えて、最近では石油代替の原料を板に入れた「減プラ」板の生産も行っており、その原料が
主成分となる(50%以上を占める)板の製作に成功しております。
そのあたりの実績も来たるべきサスティナブルの展示会でご紹介させて頂けたらと思っております。
お時間がありましたら是非ブースにお立ち寄り頂けたら幸いに思います。
サスティナブルマテリアル展
https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp/about/susma.html
12/7~9 幕張メッセ
次回は「エコマーク認定」について分かる範囲で記載させて頂けたらと思います。