サスティナブルマテリアル展出展(後編)
本日も12月7日から9日まで開催されたサスティナブルマテリアル展に出展したワーズウィズグループ
(ワーズウィズ、河村樹脂、スターレジン)のブースのご紹介とリサイクルの取り組みについてレポートさせて頂きます。
前編でのPLACYCLEⓇの流れは①回収・粉砕の流れ②封入技法を使った再生材づくりと仕上げ加工をご紹介させていただき
ました。後編では②-2キャスト技法を使った再生材づくりと仕上げ加工にフォーカスしたいと思います。
さらには射出成形の原料50%カットの取り組みや100%再生材の取り組みも合わせてご紹介させて頂きます。
②第二段階その2:粉砕粒入りアクリルキャスト板
この「キャスト技法」は液体のアクリルの中に物を入れて、熱を加えて重合反応を引き出させて固める技法で
「封入技法」とおおまかには作り方の原理は一緒です。そのキャスト工場については下記の記事でもご紹介しております。
では「キャスト技法」と「封入技法」で製作した再生材の完成品の違いについておさらいしてみます。
「キャスト技法の再生材」中の粉砕粒は溶けて輪郭が無くなっているか完全に溶け切っている状態。粉砕粒の割合は15~30%
程度。仕上がりの寸法W600×D700×3~10mm厚程度で量産性があるので「封入」よりは安価。
一般的なキャスト再生材の中の粉砕粒の状態↓↓
一方の「封入再生材」中の粉砕粒はくっきり残っている状態。粉砕粒の割合は70%程度まで。
仕上がりの寸法W500×D2000×5~60mm厚程度で一点物に近い価格感。
黒い板についてはほぼ粒が見えない状態で製作することが可能になります。白やクリアについても今後の取り組み次第では、
粒を極力見せない形まで追い込んで行くことができると考えております。
あとは粒の含有割合や異物の課題をクリアにして行くことが求められて参ります。
完成したキャスト再生材で製作したディスプレイやプロダクトは下記のような仕上がりになります↓↓
また、キャスト製法でアクリル粉砕粒を入れて製造する方法の他にアクリル原液(石油由来)40%カットできる
キャスト板もあります。そのアクリル原液代替の素材とは「炭酸カルシウム」、別名「石灰石」と呼ばれ、
学校では校庭に白線のラインを引いたり、チョークとして使用されていた素材です。
キャスト板に添加する粉末物質は現状20%含有が限界でしたが、この炭酸カルシウムは40%含有する
ことができましたので、まさにキャスト板の歴史を変える板であると言えます。
炭酸カルシウム40%含有板で製作したプロダクト↓↓
その石油由来原液をカットできるアイテムを「射出成形」で生産しているのが、河村樹脂を筆頭にする
ワーズウィズグループの射出成形チームとなります。今回の展示会に出展していたのが、下記のアイテムになります。
・TEXaは 農業廃棄物由来のバイオプラスチックです。お米のもみ殻やパーム油の搾り房( 非可食部) など
を51%使用し、その分の石油由来プラスチック削減できるアイテムの射出成形を可能にします。
・LIMEXは石灰石由来のリサイクルプラスチックです。株式会社TBM が開発した石灰石を含む無機物を主成分
にしており、石油由来プラスチックの量&CO2削減を実現できるアイテムの射出成形を可能にします。
・セルブレンEC は、非可食性セルロースを原料とした、バイオマスプラスチックでセルロースアセテート樹脂を基材と
しています。繊維原料が植物由来で、石油系材料の削減に貢献することや低比重で軽量化に貢献します。
(比重:ガラス2.6,セルロース1.5)さらに高剛性,音響特性,低摩擦性等の優れた特性を有したアイテムの射出成形を可能に
します。
最後は100%再生材「ARYSTALⓇECO」の輸入窓口となるスターレジン社のコーナーです。
この板については過去の記事で特集させて頂いおります。
プレコンシューマー材料でケミカルリサイクルされている再生材は市場にすでに出回っております。
しかし100%リサイクルしている材料は少ないと言えます。このARYSTALⓇECOを製作しているPLAVEX社は
精密電子部品を製造している工場なのでその生産ラインはかなり整備されております。
そんな環境が透過率92.7%という数字を実現させているのだと言えます。
2週に渡ってサスティナブルマテリアル展に出展した各社の情報をご紹介させて頂きました。
ご来場いただいたお客様からもうすでに多くのお問合せを頂いている状況となっております。
SDGsへの取り組み、サスティナブルへの興味、リサイクルの必要性等何かご検討されている会社様は
お気軽にお問合せ頂けたらと思います。
来週は2022年最後のコラムとなります。