2021.07.26

プラの射出成形工場の見学

プラの射出成形工場の見学

いよいよ東京オリンピックが開幕しましたね。文字通り熱い夏の幕開けとなりました。

前回の東京オリンピックが1964年だったので実に57年ぶりの開催ですね。このような状況下での開催なので懸念点はいろいろ

ありますが、近年の「閉塞感」をスポーツで吹き飛ばして欲しいなと思います。(メダルの出足も好調ですし)

 

さて今回ご紹介する工場は前回の東京オリンピックの2年前、1962年に創業したプラスチック射出成形工場の株式会社河村樹脂

です。高度経済成長のまっただ中に創業し、主要製作品としてはラジカセやポータブル音楽プレイヤーをはじめ

自動車部品や工業用部品など多岐にわたりました。創業当初は金型製造だけを手がけていたそうです。

 

今回そんな歴史のある河村樹脂さんにお邪魔して工場見学をさせていただきました。雑な編集で大変恐縮ですが動画もアップ

させて頂きます。案内して頂いたのは河村樹脂をはじめ数社の射出成形工場の営業窓口をされている西北課長。

もともと河村樹脂・北上工場(旧北進技研)つながりで昨年4月入社され、河村樹脂の横浜と北上に来る仕事の営業窓口をされて

いる方です。

 

応接にあった数多くの製作サンプルを見せて頂きましたが、さまざまな産業・工業製品をはじめ雑貨関連商品の実績もある様子

でした。射出成形の中でもその製品特徴によっては求められる精度(交差)や品質は異なるようでいちばん厳しい基準の製造物は

半導体関連パーツや流体制御機器パーツで、細かい検品検査表を仕上げて製品とともに提出しているそうです。

射出成形には温度管理が重要で、春夏秋冬・朝昼晩と同じ環境で稼働することが求められます。朝に停止していた機械を立ち上げる

時は20回くらいショットして慣らし運転を行い、逆に長時間稼働していると熱を持ちすぎてしまうのでクールダウンさせる時間も

必要とのことです。下記に貼った動画の中でも記載しておりますが、成型機は①射出ユニット②型締めユニット③コントロール

パネルと3箇所に分離されます。

 

①射出ユニットでは樹脂をスクリューで回して溶かして一定量になったら②型締めユニットに送って樹脂を固めるために金型を

冷やし、固まったら取り出すというという作業を繰り返します。この一連の作業指示が③コントロールパネルへの入力によって

行われます。そしてこのパネルには一連の動作の作業時間が表示されています。(この動画の製品は約36秒)

 

最後に応接にあったサンプルの中で興味深い素材で製造されたサンプルがありましたのでご紹介させて頂きます。

画像のチェーンやコップはMAPKAという素材で成形された製品になります。MAPKAとは主原料である紙パウダーを含有した

エコ素材で石化資源を製品として半減(削減)できるだけではなく、原則MAPKA の容器包装・成形品は紙製品扱いとなる為、

燃えるごみ・燃やすゴミとして廃棄が可能となります。

 

MAPKAを使用することにより、 一般汎用プラスチック (ポリプロピレン)と比べ温室効果ガスの排出量を約35%削減することが

可能とのことで圧倒的な環境性能を誇ります。こういったエコ素材を用いて射出成形で製品開発ができるところも同社の強みと

言えそうです。