プラスチックおさらい
本日は原点に立ち返ってプラスチック材料について記載させて頂こうと思います。
プラスチックマーケットの協力工場である射出成形グループの窓口の方に「プラスチック」関連の本を
ご紹介頂いたので書店に買いに行ったのですが、「理工系」のジャンルに置いてありました。
https://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00002881
石油からプラスチックを製作するには何種類かの「化学反応」を起こす必要がありますので、プラスチックを語る上で
「化学」「理系知識」は欠かせないものなのだと改めて実感しました。
プラスチックと合成樹脂は同じ単語だと思ってましたが本を読むと厳密には異なるようです。
厳密にはプラスチック(plastic)は「成形品」(例えばコップ)で合成樹脂(Synthetic Resin)は「成形材料」(例えばペレット)
を指すようです。
↓プラスチック(成形品;コップ)
↓合成樹脂(成形材料;ペレット)
まずはプラスチックの定義から記載したいと思います。
プラスチック(Plastic)
「高分子物質」を主原料として人工的に有用な形状に形作られた個体を指します。
「高分子物質」とは、一般的に分子量が1万以上ある物質で天然素材としては木綿や麻のような「食物繊維」とか
絹や毛糸のような「動物繊維」があります。
石油を原料とするナフサやエチレンは「低分子物質」ですが、たとえばエチレンを鎖の1つの輪(モノマー)
として、これを鎖のようにつなぎ合わせる(重合反応を起こす)と人工的に合成された「高分子物質(ポリマー)」の
ポリエチレンができるわけです。(ポリマー+エチレン=ポリエチレン)
分子量が大きくなるにつれ、気体→液体→個体へと変化して、物性が向上して日常生活に欠かせない
高分子量の材料となる訳ですね。
1870年のセルロイドからはじまり、プラスチックは進化して行きました。セルロイドには自然由来の繊維が
が含まれておりましたが、人工の合成樹脂のみの素材の走りは1909年に米国で作られたフェノール樹脂です。
重合された「高分子物質」の外観が「松脂」に似ていたため「樹脂」と命名されたようです。
天然素材や金属製品から素材の主流が合成樹脂へ進化が進み、同じ合成樹脂でもより高水準な進化が進んでおります。
本日はプラスチック、合成樹脂について簡単におさらいしてみました。
機を見て
■合成樹脂の種類(熱可塑性、熱硬化性でそれぞれ代表的な素材)
→熱で柔らかくなる(成形可)か固くなるかの違い
■合成樹脂の添加剤について
→品質改善が実現できる反面マイナス効果が出ることもある
これらの内容についてもご紹介させて頂けたらと思います。