プラスチックごみ考
もう早いもので11月、今年もあと2ヶ月になりました。プラスチックマーケットがオープンして半年になりますが、まだまだ皆さま
のお役に立てていない感があります。プラスチックに関してお困りの際は何なりとお訊ね頂けたらと思います。
さて、このプラスチックマーケットですが、運営会社や主力会社が「アクリル板加工」を得意としておりますので、どうしても
アクリルのトピックが多くなります。一方でグループには射出成型の工場も3社ありますので、そちらで扱っているプラスチックの
種類は下記のように多彩です。
【汎用プラスチック】
ABS樹脂 PE(ポリエチレン) PP(ポリプロピレン) PVC (ポリ塩化ビニル) PMMA(アクリル)
【エンプラ】
PA 6 (ナイロン) PA66(ナイロン) PC(ポリカーボネイト) POM(ポリアセタール)
PET(ポリエチレンテレフタレート) TPE(エラストマー) PBT(ポリブチレンテレフタレート)
ちなみに射出成型の協力工場である河村樹脂は、12/8から幕張メッセで開催される高機能プラスチック展への出展が
決まっております。こちらも改めてご紹介させて頂けたらと思います。
プラスチック樹脂の説明や解説なども追々行って行きたいと思いますが、本日は大きな意味での「プラスチック」についてお話
できればと思います。まずWEBで「プラスチック」と入力すると紐づいてよく出てくるのが「ゴミ」「環境問題」「リサイクル」
といった単語ですね。
今の日本では、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、国内における
プラスチック資源循環を一層促進する重要性が高まっております。
まず、海洋プラスチックごみですが、特に多いのが、使い捨て用が中心の「容器包装用等」プラスチックになります。
この用途のプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると
考えられます。
海洋ごみは、海に生息する魚類、海鳥、海洋哺乳動物、ウミガメなどの数百種の生物の生命を脅かしています。うち9割以上が
プラスチックの影響であり、例えば「漁網などに絡まる」、「ポリ袋を餌と間違えて摂取する」ことによるものです。
そして2050年には海洋プラスチック ごみが、海に生息する魚の量を上回るというショッキングな予測データもありますね。。
そんな状況下のため「廃プラ」の有効利用が急務でありますが、こと日本に関して言いますと廃プラの有効利用率が84%という
ことをみなさまはご存知でしょうか?プラスチックのリサイクルの方法を大別すると以下の3つになります。
1.マテリアルリサイクル : 廃プラを原料としてプラスチックに再生する
2.ケミカルリサイクル : 廃プラを原料として化学原料に再生する
3.サーマルリサイクル : 廃プラを焼却して熱エネルギーを回収する
84%という有効利用率のうち、3のサーマルリサイクルは実に60%近くに及びます。廃プラを焼却することでCO2が多く排出される
というということは「地球温暖化」対策という観点では、とても有効かつ持続可能なリサイクルとは言えませんね。
また、日本では年間150万tの「廃プラ」を「資源」として中国を中心にしたアジア諸国に輸出しておりましたが、4年前から
中国がリサイクルによる「環境汚染」を理由に輸入規制をはじめました。それにより行き場のなくなった「廃プラ」を中国以外の
処理体制が整っていない国に振ることにより、海洋プラスチックごみを加速させるという懸念も出てきております。
そのような状況を考えるとこの日本でも「廃プラ」を「減らす」「再利用する」「再生産(リサイクル)する」という動きが急務
であり、今年3月には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」も閣議決定されていますね。
https://www.env.go.jp/press/109195.html
一人一人の意識が国を動かし、地球を変える
私どもプラスチックマーケットでも、「使い捨て」ではないプラスチック製品の製作をしておりますが、マテリアルリサイクルを
推進して、お客様とともに資源の循環の仕組みを作り上げて行けたらと考えております。
今後はプラスチックごみ問題についても、深く掘り下げて行けたらと思います。