化粧品開発展
今回は1/12~14に東京ビックサイトで開催された「化粧品開発展」にプラスチックマーケット運営会社のワーズウィズ社が
出展しましたのでレポートさせて頂きます。http://waazwiz.com/
この展示会は原料、OEM、容器パッケージ、研究機器、販促製品、物流など、化粧品の研究・企画開発に必要なあらゆる製品が
一堂に出展する専門展です。国内外から多数の化粧品メーカーが来場、化粧品開発に関する相談・打合せが活発に行われる
国際商談展になります。
ワーズウィズ社はPLACYCLE(アクリル再生循環の取り組み)の化粧品ディスプレイ製作を前面に出した展示となりました。
初日~二日目前半までの客足は多くなかったですが、後半から徐々に増えて三日目後半は非常に盛況で幕を閉じることができ
ました。本日はブースで展示していたディスプレイのご紹介と今後の課題について述べさせて頂きます。
①PLACYCLE TYPE-Aのディスプレイサンプル
【TYPE-A】「封入技法」で粉砕粒を封入して作られた再生材を指し、粉砕粒はアクリルをはじめ、PP、PEでの実績があります。
セールスポイント→ブロック状で製作できる。粒がくっきり残って見た目がきれい(高級感がある)。粉砕粒の割合MAXが70%。
ウィークポイント→コスト高め&量産性が低め。
※粒がPP、PEの場合はPLACYCLE循環が現状できない状況です
↑アクリル粉砕粒入りディスプレイ 色付きの粉砕粒により大理石のような高級感のある風合いに仕上げました
↑アクリル粉砕粒入りディスプレイ② 粉砕粒がマットクリア板なので背景クリアにしてLEDを仕込んで幻想的かつ温かみのある風合いに仕上げました
↑アクリル粉砕粒入りディスプレイ③ ②と同じ粉砕粒+LEDディスプレイです
↑アクリル粉砕粒入りディスプレイ④ 色付きの樹脂にクリア粉砕粒をほんのり入れた有機的なディスプレイです。ガラスのように見えますが、ガラスより透明度が高く、半分の重量でなおかつ割れません
↑PP粉砕粒入りディスプレイ ペットボトルキャップを粉砕した粒入りのダストボックスです。ボトルキャップのカラフルさがビビットでアイキャッチになりますね
↑アクリル粉砕粒入り&PP粉砕粒入り手鏡 手鏡はコスメショップでは必須アイテム。再生材でありながら、高級感あふれる仕上がりになっています
②PLACYCLE TYPE-Bのディスプレイサンプル
【TYPE-B】「キャスト板製法」で粉砕粒をアクリルに混ぜた再生材を指します。粉砕粒の実績は現状アクリルのみとなります。
セールスポイント→キャスト板製法のため量産に向いてる。コストが抑えられる。粒が溶けるため、単色板(白、黒、クリア)
を製作しやすい。
ウィークポイント→板状(最大18ミリ厚)でしか製作できない。粒が溶けてTYPE-Aのような高級感は出ない。粉砕粒の割合が
MAXでも30%。
↑アクリル粉砕粒入り助物入れ 店舗で使用するコットンや綿棒の収納に使用されるケースを再生キャスト材で製作しました
↑アクリル粉砕粒入りメイクBOX 店頭メイク台でのテスター収納を再生キャスト材で製作しました
③通常のディスプレイ什器
PLACYCLEだけでなく、通常の化粧品ディスプレイの実績が多くありますのでそちらも展示しておりました。
グループ会社の丸ノ内工芸からサンプル提供の協力を得ることができて、多くの実績品が展示されておりました。
やはり安定の品質と言えますね。http://www.marunouchi-k.co.jp/
今回、化粧品開発展の「容器パッケージエリア」に出展してたので、いらっしゃるお客様の層が違うのではないかという懸念が
ありました。実際ブースに来て最初は「ディスプレイ」と気付かなかったお客様もある程度いらっしゃいました。
ただ、「サスティナブル」「再生材」というテーマでご説明をはじめるとやはり業界的に求められているということもあって
熱心にお話を聞かれたお客様が多かったと思います。
今後の課題はやはり「PLACYCLE」(循環)のスキーム作りだと思います。特にお客様のショップで使用されていたディス
プレイや消費者様が持ち込んだ空容器をどのような形で回収して分別して粉砕工場に渡すかがテーマと言えますね。
【課題1.】不用品の回収
→廃棄業者は法律上ハードルが高いため、自社回収が現実的。現状はお客様の物流に集めて頂いた不用品を回収する形が取られて
いる。
【課題2.】不用品の分別、作業
→プラスチック、ガラス、金属、木工といった大規模の分別からプラスチックの中でもアクリル、PP、PVC、PEといった中規模の
分別、そしてアクリルの中でも色分別をはじめ、印刷やシート貼りあり品、マグネット圧入品と言った小規模な分別まで様々行う
必要が出て来ます。大規模な分類はお客様にお願いする形が取られますが、中~小規模の分類をどちらで行うかについては各お客様
との話し合いになると考えております。
【課題3】循環にかかる費用の上乗せ
→当然ながら通常のアクリルより再生材の方か価格が上がります。回収→分別→粉砕という工程をはさむことによって、さらなる
価格アップが見込まれます。
SDGs、サスティナブルの取り組みを何としても実行しなければならない、そんな熱量を持つお客様との取り組みが現在進行して
おります。この取り組みはお客様と共に時間をかけて作り上げて行く性質のものであると改めて感じました。
そして、今回の展示会を機にそんな熱量を持つお客様が増えていくと考えられますので、今後もこのPLACYCLEの取り組みを
しっかりと推進して行こうと思っております。