2023.07.27

技術紹介┃封入技法

技術紹介┃封入技法

当サイトへのお問い合わせで大部分を占める<封入>のご相談。

先日のコラムにて少しだけサンプルをご紹介させて頂き、後日改めて特集すると予告しておりましたので

本日は満を持して、沢山の写真と共に技術紹介をしていきたいと思います♪

[過去コラム]ショールームツアー3┃サンプル宝庫

 

この<封入>という技術、しつこいようですが誰でもできるものではありません。

それを完璧にやってのけるのが、日本国内でも屈指の技術力を誇ると自負しております株式会社アート日向です。

切って貼ってという基本的な加工はもちろんですが、アート日向はブロック注型や切削といった特殊技術をもっとも得意としております!

特注品や一点物のご依頼が多く、株式会社ワーズウィズの類稀なるプロダクトの数々もここから生まれてきました。

WAAZWIZ JAPAN PRODUCTS

 

■生物

 

 

こちらは本物の蝶のはく製、そして貝殻とタツノオトシゴを封入したオブジェです。

タツノオトシゴのブロック表面には波の切削加工を施しており、海を優雅に漂う姿をそのまま閉じ込めることができました。

今の季節にピッタリのアクリルオブジェです。

 

余談ですが、貝殻の成分は炭酸カルシウム。もっと身近なものでいうと校庭に線を引く石灰、まさにアレなのですが

石灰石は世界中にまだまだ豊富に存在しており、SDGsの観点からも注目されている資源です。

アクリルとは写真の通り相性も良くとても綺麗に封入することができますし、実は既に板としても開発をしております。

この板についてはまた改めてご紹介致します。

 

 

■紙や植物

紙は液体状のPMMAモノマーが浸み込んで少し濡れた色感になりますので、アンティーク調のインテリアと相性抜群です。

そして驚くべきは植物の封入。まるで自然をそのまま切り取って固めたような精度で封入することができます。

稲や鳥の羽など、基本的に水分がなければ封入できるものが多いです。

 

 

 

■金属や布

最後は金属のご紹介です。大きな金属は苦手ですが、小さなパーツなどは問題なく封入することができました。

レースの布や造花もOK。花には水分が多く含まれているので造花で対応することが多いのですが

ドライフラワーのように乾燥しているものなら封入実績があります。

 

 

■とにかく何でも試作

たまには失敗もあります。

これは大きな金属片を封入したところ、アクリルがパッカリ半分に割れてしまった失敗作。

封入は熱を加えて固める技術なので、アクリルと収縮率が違う素材を入れるとこういったことが起こる場合もあります。

金属の表面が剥離してしまったり、印刷の色が溶け出してしまうことも。

面白い事例もあります。マニキュアを瓶ごと封入した際に瓶が透明だったのでアクリルと一体化してしまい

液体だけ浮いているような見た目に仕上がったそうです。

ちなみに、不思議に思われる方もいるかもしれませんがアクリルにアクリルを封入することもできますよ。溶けて混ざったりしません!

 

 

どんなものが封入できるのか、参考にして頂けましたでしょうか?

次回は8/3(木)12:00p.m.更新、再生材┃熱プレス再生材です。またお会いしましょう~。