2021.11.28

石油とプラスチック

石油とプラスチック

最近は肌寒くなり北の方では雪の便りも聞かれ、都心でも昨日は10°を下回ってました。寒いと暖房機器が欠かせないと思い

ますが、寒い地域や広い場所ではまだまだ石油ストーブが重宝されますよね。灯油をガソリンスタンドやホームセンターで購入され

ているご家庭もまだまだ多いのではないでしょうか。

 

「石油」と一言で言ってもいろいろな種類と用途があり、プラスチックの原料もまた「石油」になりますね。

本日は改めてその種類とプラスチックについて簡単におさらいできたらと思っております。

 

「石油」は中東を中心とする石油輸出国機構(OPEC)の国々で世界の3~4割の生産量を占めております。

あと30~40年で枯渇すると言われている真偽は定かではありませんが、代替エネルギーやリサイクルの動きは活発化してます。

 

最近ではアメリカを筆頭に日本、中国、インド、韓国、イギリスが協調して石油の備蓄を放出して、価格高騰抑える処置が取られ

ましたが、バイデン米政権の支持率稼ぎの施策との見方もあって効果は限定的と見られているようですね。

そんな「石油」ですが、炭化水素を主成分として、ほかに少量の硫黄・酸素・窒素などさまざまな物質を含む液状の油で、鉱物資源

の一種です。ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものを特に原油といい、その原油の沸点の温度差を利用して

下記※の種類に分けられます。

 

※原油 ・ガソリン
・ナフサ →プラスチック(全石油資源の3%を使用)
・灯油
・軽油
・重油
・アスファルト

 

プラスチックはこの中の「ナフサ」※2から作られます。ナフサにさらに熱を加えて下記の製品原料が作られます。

ちなみにナフサの沸点はガソリン以上灯油未満(30-180°程度)になります。

 

※2ナフサ 【熱】 ・エチレン 【添加剤】 各原料ペレット化  →生産・成形工場へ
・プロピレン
・ブタジエン
・ベンゼン
・トルエン
・キシレン

 

また、プラスチックの種類を大別すると下記※3のようになります。

 

※3プラスチック ・熱可塑性プラスチック ・汎用プラスチック
・エンジニアプラスチック
・熱可塑性エラストマー
・その他(生分解性/バイオマス等)
・熱硬化性プラスチック

 

ちなみに熱可塑性とは、加熱すると軟化して流動性を持つプラスチックで、熱硬化性とは、成形前に流動性を持っていて

熱を加えると硬化するプラスチックを指します。ちなみにメリットを挙げると前者は成形時間が短く低コストでリサイクルに

適すもののデメリットは後者に比べて機械強度や耐熱、耐薬品性が低くなります。

 

そして汎用プラスチックと呼ばれる種類が下記※4になり、プラスチックマーケットの協力工場の中ではおなじみの素材ばかりに

なります。

 

※4汎用プラスチック ・ポリエチレン(PE)
・ポリプロピレン(PP)
・ポリ塩化ビニル(PVC)
・ポリスチレン(PS)
・ABS樹脂
★アクリル樹脂(PMMA)

 

プラスチックマーケットの協力工場ではこの汎用プラスチック加工を全般的に手掛けております。

射出成形は、この汎用プラスチック以外でもエンジニアプラスチックやバイオマス素材の成形で製品を作っておりますし

板加工は、製品化された樹脂板を仕入れて製品を作ります。

 

そして中でも特筆すべきは★アクリル樹脂に関しては液体原料(MMA)からアクリルキャスト板や封入ブロックを

製作できるところですね。この特殊技術によって今の再生材(PLACYCLE)の取り組みの根幹が支えられている訳です。

 

次回はアクリルキャスト板の製作現場を訪問して改めてご紹介できればと思っております。

http://waazwiz.com/technology.html#saitama