PLACYCLE家具の製作(後編)
さて、前回粉砕させて頂いた粒を静岡県にあるアート日向に持ち込んで、いよいよ天板製作になります。
今回の天板の最大サイズがW1500×D450ということで、それくらい巨大な注型(封入)作業も久しぶりなので
樹脂の仕込みも一苦労になります。担当者さんも休日返上でがんばってくれております。(頭が下がります)
仕込みを複数人で行い、いよいよ窯焼きです。窯の外形はもう少し大きいですが、製作物の有効寸法が500角×2100Lの
巨大な窯を使用します。詳細はノウハウ的な部分になりますので記載できませんが、その窯の迫力には圧倒されますね。
注型が終わって出てきた天板の表面は凸凹のマットな感じの粗い面になっています。それは注型時の熱と圧力の影響を
大きく受けているためです。その表面をフライスして家具天板としての加工を行うのが画像の巨大な五軸ルーターになります。
五軸ルーターの前にいるのが工場長の山崎さんで、最近のアート日向に入っているお仕事の状況についてお聞きしてみました。
自分がおうかがいした際には丁度、毎年納品させて頂いている量産トロフィーやアクリル水槽の追い込みを中心にされており
ました。量産トロフィーは「注型技法」を応用して製作されており、他に製作できる工場はおそらくないと思われます。
コンスタントに頂けている仕事のベスト3をお聞きしてみたところ、そのうちの2つが最近はじまったお仕事のようです。
1.化粧品ディスプレイ。AW向けの導入が落ち着き、今度はHolidayと呼ばれる「X’mas」向けの導入がはじまるそうです。
最近は普通の箱組みのディスプレイに加えて、3次元切削を使った高度な加工のディスプレイも増えてきているそうです。
2.産業系の機械の扉。NC切削機を使用します。素材の種類も増え、コンスタントに製造、納品されているそうです。
3.小型~中型の水槽。こちらもコンスタントに製造されているそうです。
NC切削仕事が増えていると聞き、その稼働率が気になり、副工場長の興津さんの方にもお話を聞きに行きました。
アート日向には先ほどの画像の巨大な五軸切削機を含めて合計10台のNC切削機があるのですが、工程表を見ると予定が
びっちり書き込まれておりました。興津さん曰くマシンによっては24時間稼働の場合もあるとのこと。
そして近い将来にアート日向でISO9001の取得を計画しており、その責任者にもなる興津さんにそのあたりのお話も
お聞きしたところ、現状は課題が多くあるもののベストを尽くしたいとの意気込みをお聞きすることができました。
アート日向の強みとして、
1.加工の美しさ。熟練の職人たちによる完成精度の高い製作物。
2.日本で数少ない注型技法(アクリルの中に物を封じ込める技術)を持つ
3.NC切削機を10台所持し、難易度の高いNC切削技術を持つ
が挙げられますが、この工場だからこそできる今回の再生板(アクリル粉砕入り)を使った家具製作になります。
完成して撮影が終わりましたらまたニュースやこちらでご紹介させて頂きます。今から本当に楽しみになります。
いざ展示会に向けてラストスパートです!!