2022.04.10

サスティナブルのトレンド

サスティナブルのトレンド

本日は4月6日~8日に東京ビックサイトで開催された「サスティナブルファッションEXPO」のレポートを簡単にさせて

頂けたらと思います。自分が行ったのは最終日の午前中のみでしたが、いろいろ参考になる商材を見ることができました。

 

「サスティナブルファッションEXPO」とは「ファッションワールド東京」というアパレルショップ様向けの展示会の大きなくくり

の中で昨年春から新たに立ち上がったサスティナブルに特化した展示会になります。弊社も昨年秋の展示会に出展して、

いろいろな実績を得ることができました。

 

会場に入ってまず目立ったのはバイオマス素材、中でも廃棄予定の果物から製作した「ヴィーガン素材」で製作されたファッション

アイテムが多かった印象があります。自分が見た「ヴィーガン素材」で製作されたアイテムを中心にご紹介させて頂きます。

 

①アップルレザー / ニチモウ様  https://www.nichimou.jp/reapple-reused-leather/

廃棄されるリンゴの芯や皮を粉末状に加工したものをポリエステルで固め、その上からコットンポリエステル地をコーティングする

ことで、レザー調に仕上げられています。表面の樹脂層に粉末状のアップルパウダーが30〜40%含まれていて質感はまるで本物の

レザーのようで、とても柔らかい手触りでした。(輸入品)

 

②MoEa / シャイアンリッチ ライフスタイル様  https://moea.io/

アップル、パイナップル、グレープ、コーン、サボテンなどの果物や植物由来原料を使って作られたスニーカーが展示されていま

した。果物・植物が30~70%含まれていて、残りが綿とPUが半々といった割合でのようです。フランスのブランドで日本初上陸と

ありました。展示がユニークでしたね。

 

③Apple skin / タキヒョー様  https://www.takihyo.co.jp/sustainability/#tab2

イタリアの果樹園で廃棄予定だったリンゴの皮や搾りかすを粉末状にして、リンゴ成分を配合したポリウレタンコーティング加工を

表面にしたアップルレザーです。基布は綿やポリエステルを使用しており、パウダー状の粒子が有機組織を創りだすため、従来の

合成皮革よりも通気性に優れているそうです。

①と③の違いはあまり詳しくは分からなかったのですが、細かなところの製法やリンゴの調達先が①が全世界で③がイタリアの果樹園という形なのではないか?と推測されます。

 

④カテキンファイバー / GSIクレオス様 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000067178.html

100%静岡産の「茶の実」から抽出したオイルに植物性由来の茶葉から抽出したカテキンを配合。優れた抗菌、抗カビ機能があり、

繊維状の菌の増殖を抑え、いやな臭いも抑えます。茶の実オイル・茶カテキンは食用レベル。そんなオイルを繊維に浸してタオルや

靴下やマスクが製作されておりました。

 

⑤BANANA CLOTH / BANANA CLOTH推進委会様 https://cloth-app.com/topics/200/

年間10億トンにもなるバナナの廃棄材から取れるバナナの繊維を使って衣服を製作するというプロジェクトが紹介されていました。

バナナ畑で捨てられるバナナの茎からは1本(約25kg)あたり500~700gの繊維が取れるそうで、こちらを使用すれば繊維を取る

目的で新たに水や農薬やエネルギーを使用しません。綿・麻・シルク・ウールに続く第五の天然繊維に育てたいそうです。

このように植物由来の製品を見ると

・動物由来品を使用しない(ヴィーガンと言われているゆえん)

・合皮などの石油由来品の場合、石油使用量を軽減できる

・カーボンオフセットの観点でも植物が吸い込むCO2と生産時に出るCO2が相殺されるのでは?という考え方

といった具合に地球環境負荷を軽減するメリットを多く持つ商材と言えそうですね。

 

植物由来の樹脂(バイオプラスチック)で見ると最近は「ライスレジン」や「TEXa」(もみ殻やパーム房)や「カラクル」

(卵の殻再利用)などが出回っております。プラスチックマーケットの協力工場の中の主に射出成形系の工場で製作・開発が行われ

ております。樹脂でも繊維に負けずにもっと新しい価値を生み出していけたらと思った次第です。

 

次回もご出展されていた中で面白かったブースを少しだけご紹介させて頂けたらと思います。