プラスチック加工の量産工場と粉砕について
本日はプラスチックマーケットの協力会社である丸ノ内工芸の岩手工場についてご紹介させていただきます。
丸ノ内工芸は1957年に創業、店舗什器や展示ディスプレイなどの製作で高い技術力を発揮してきた総合メーカーです。
取り扱う素材は金属、木材、紙など多岐にわたりますが、中でも合成樹脂の板加工の分野では国内最大規模の量産能力を誇っています。
丸ノ内工芸HP↓↓
http://www.marunouchi-k.co.jp/company
【過去コラム】
今回は「量産能力」の源である岩手工場にスポットを当てたいと思います。
まず特筆すべきはその広さになります。岩手県紫波郡紫波町の学校の跡地だった2000坪の土地に岩手工場は建てられました。
印刷・レーザー機や事務所がある棟、作業・検品が行われる棟、カットNC作業が行われる棟、出荷物や板の在庫を管理する棟
そしてマテリアルリサイクルにまつわる機械や在庫が置かれている棟などがあり、それぞれがとにかく広いです。
ふだん化粧品ディスプレイやコンビニエンスストアの什器などの量産品を多く製作しておりますが
この時期は丁度文具ディスプレイの量産製作を行っておりました。
聞くと、最近で2~3件の新規製作が決定し、量産製作が進んでいるタイミングとのお話でした。
同工場の量産力もさることながら強みとなっているのが、「高出力レーザー機」と「大型インクジェット機」になります。
前者のレーザー機を使用することで、40ミリまでのアクリル厚材のレーザー抜きが可能となります。こちらはあまりに高出力
なので抜きながら火が上がるため、エアーで火を消しながらの加工が必要となります。
↑↑レーザー照射している水色のブロックの内側に火が見えます。
そして後者のインクジェット機が、2400×1200mmサイズまでの大型印刷が可能な機械になります。
通常のインクジェット機は600×400mmサイズまでが主流ですので、その大きさには目をみはる物があります。
敷地の広い岩手工場だから置ける機械と言えそうです。
↑↑オペレーターの方と比べてもこの機械の大きさが分かると思います。
そんな岩手工場の一角にマテリアルリサイクル用の粉砕スペースが新設されておりました。
大型の粉砕プラントの建設が予定されているのですが、現在はその前段階で小型の粉砕機が稼働しておりました。
PLACYCLEというプラスチックのマテリアルリサイクルを中心としたプロジェクトがワーズウィズグループで立ち上がって
おりますが、お客様から回収したアクリルやプラスチックがここ岩手工場に集められ、粉砕作業が行われます。
【アクリル粉砕工程】
↑↑粉砕機の稼働の前に中を開けて内部に残る粒や粉を取り除きます。
↑↑アクリル端材を入れます。(ディスプレイ面板)
↑↑粉砕されたアクリル粒が機械の下部の受けの中にストックされます。
↑↑粉砕終えた粒アクリルの中の異物を取り除きます。
粉砕にかかる時間は入れる物の素材や大きさによって異なりますが、投入口いっぱいに入れた場合で約5~10分かかります。
「アクリル」は硬く、複数の端材を入れると投入口のところで止まってしまいます。ほうき等の長い物で奥に押し入れながら
粉砕を進めて行きます。粉砕音はかなり大きいですが、砕いてしまえば中で詰まることはありません。
【PPボトル粉砕工程】
一方の「PP」などの容器は柔らかくて小ぶりなので、大量に投入口に入れることができます。粉砕音はアクリルより小さい
ですが、軟質なので樹脂が刃物に巻き付いて詰まってしまうことがあります。一度詰まってしまうとその詰まりを取り除くの
にかなりの手間を要するそうです。
現状、素材によってそれぞれの課題をかかえながら粉砕作業を行っているのですが、今度導入が予定されている大型粉砕
プラントでは上記のような課題も解消され、粉砕の処理量もかなりアップします。現在は工事に当たっての諸々の課題に
取り組んでおりますが一刻も早い大型粉砕プラントの完成が待たれています。
最後にこのような粉砕の流れを使って進行するマテリアルリサイクルの取り組み「PLACYCLE」の紹介をするために出展
するサスティナブルマテリアル展もあと1ヶ月となりました。会場は幕張メッセとなります。皆さまのご来場を心より
お待ちしております。
サスティナブルマテリアル展
https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp/about/susma.html
12/7~9 幕張メッセ