再生材の進捗について
1年の半分が経過して梅雨があっという間に明けていよいよ夏到来です。
先週は安倍元首相が狙撃されるという衝撃的な事件がありました。以前このコラムで記載させて頂きましたが
「安全」「平和」「当たり前の日常」というものが「当たり前でなくなって来ている」事を痛感するような大きな事件でした。
平成終盤から令和にかけて日本をけん引して駆け抜けた安倍元首相のご冥福をお祈り申し上げます。
「当たり前が当たり前でなくなって来ている」事については、地球の資源にも言えると思います。
樹脂のリサイクルによって石油使用量をセーブするといった「再生材」の取り組みも、当たり前にある訳ではない
資源を大事に使う重要な取り組みであると言えます。
このプラスチックマーケットでも数多くご紹介させて頂きました「再生材」「サスティナブル」に対する動き。
各種類の動きの現状をご報告させて頂きます。
TYPE-A 封入再生材
主に家具や什器の天板としてお引き合い頂いております。特にブランド様のイベントやフラッグシップ店用のテーブル
天板が多い状況になります。現状のサイズが一幅60cmまで(長さは2mまで可能)という制限がありますが、
大型の封入機械の導入が秋以降に予定されておりますので、その稼働がはじまれば幅1.8mまで(長さは2m以上)
の再生板の製作が物理的に可能になります。
TYPE-B キャスト再生材
主に化粧品ディスプレイ向けの面板等でお引き合いを頂いております。アクリル粉砕粒を入れて板を製作する場合
中の粒が溶け残るのですが、その粒を残らないようにして単色板(白、黒、透明)を製作できるよう目下追い込み中
です。(白、黒に関してはほぼメドがついております。)
また大手板メーカー様と再生板でのコラボも現在計画中となっております。
ちなみにトップ画の棚はTYPE-AとTYPE-Bの再生材を組み合わせて製作した貴重なアイテムです。
TYPE-AとBを進行する上での現状の課題としては、下記のことが挙げられます。
①粉砕プラント建設と運用および配送スキーム作り
TYPE-AもBも再生のためのアクリルをはじめとした樹脂の粉砕が必要となります。
その粉砕プラントを丸ノ内工芸岩手工場に目下建設中で、2022年中には稼働できる運びとなっております。
PLACYCLEのリサイクルフローを形成しようとする場合、不要になったアクリルをいかに効率的に粉砕工場まで送るか
が、鍵となって参ります。
②①にかかるコストの販売価格への上乗せ
回収・粉砕のコストは当然ながらその後に製作される再生材の価格に上乗せされるのですが、量や頻度によっては
単価が高くなって参ります。特に現状の開発およびテスト段階で試算をすると、どうしても単価が上がってしまうため
お客様が二の足を踏んでしまう状況になる場合も散見されます。
こちらの課題は当初から想定されている事ですので、お客様毎に密に話し合いを進めながら詰めて行けたらと考えております。
そしてTYPE-Cの海外再生材はプラスチックマーケットのグループ会社がいよいよ日本国内独占販売権を取得できそうです。
「PLAVEX」という韓国製のアクリル押出し板です。通常バージョンと再生バージョンの2種類あり、再生バージョンは
溶解再生プラの割合が100%になります。主に電子部品工場で出た端材を溶解してアクリル原液に戻して押出し成形しております。
詳細は追々ご紹介させて頂けたらと思います。
そしてここに新たにTYPE-D 射出成形の工場で製作されているサスティナブル素材です。
射出成形の工場のサスティナブル素材は、以前もご紹介させて頂いておりますが、TEXa、LIMEX、カラクル等が挙げられますね。
2021年サスティナブルマテリアル展で紹介された射出成形のバイオプラスチック
↓↓↓
そんなTYPE-Dも加えてプラスチックマーケットグループで取扱ができる再生材・再生品を表にまとめました。
最後に先ほどのリンクで紹介されていたサスティナブルマテリアル展ですが、今年も出展することが決まりました。
そして今年はプラスチックマーケットの協力会社総出(?)で、本日ご案内したTYPE-A~Dの再生材全てを展示する予定です。
その準備の状況は逐一このコラムでも取り上げて行きたいと思っております。
2022年12月7日(月)~9日(水) 幕張メッセ
第2回サスティナブルマテリアル展(SUSMA)
https://www.susma.jp/ja-jp/about/outline.html
後悔なき日々をと、そう思いました。