2022.08.28

台風と海洋ごみの関係性

台風と海洋ごみの関係性

8月も終わりに近づき、早いもので今年も残り4ヶ月になりました。

8月は通常「台風の発生」が1年を通じて一番多いのですが、今年は例年に比べて「台風」の発生が少ない年のようです。

ただ、「台風の上陸」に関しては9月がいちばん多くなるので、まだまだ予断を許せない状況と言えそうです。

 

本日は「台風」が海洋プラスチックごみを増やすという記事を見かけましたのでそのあたりを記載させて頂きます。

調査が行われたのは2019年の9月、場所は横須賀沖の相模湾のある地点。台風通過の3日前、1日後、3日後で海表面に浮いている

プラスチック粒子を採取して、その数量を比較したというもの。

 

結果は通過1日後の数値が通過前の1300倍というショッキングな数字でした。ただ、3日後には通過前のレベルにほぼ戻ったそうです

が、どこか「遠洋」に流れて行ったのか又は「海底」に沈んだのかと考えると全く「めでたし」ではないですね。

 

そして通過1日後に見られたプラスチック樹脂の実に82%が、「ポリスチレン」=「発泡スチロール」だったそうですが、これは

何を示すのか?軽くてスカスカな「発泡スチロール」が風に飛ばされてばらばらになって、海まで到達したということが言えると

思います。(もちろ海まで一気に風で飛んで行くパターンと川を経由して出て海に行ったパターンがあると思いますが)

 

そうすると、ゴミの「Reduce」はもちろんですが、ゴミであれ製品であれ、その「管理」を十分意識して行く必要がある

と感じます。

 

「海洋ごみ」は以前も取り上げさせて頂きましたが、毎年800万トン以上のプラスチックごみが海洋に流れ込んでいて、

その総量はすでに1億5000万トンを超えるといわれています。2050年には、地球上に生息する魚の重量をプラスチックごみの重量が

上回るとも予測されており、早急な対策が必要と言われていますね。

 

https://plasticmarket.co.jp/column/%e3%83%97%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%83%81%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%94%e3%81%bf%e8%80%83/

 

統計の資料を見ると、世界中にある海洋プラスチックごみのうち、82%の流出源はアジア諸国で、上位には中国やインドネシア、

フィリピン、ベトナムなどの新興国が並びます。ごみを分別する習慣がなかったり、リサイクル技術やリサイクル施設の導入が

遅れていたりすることが、こうした国々がごみを多く流出する要因になっているようです。

 

プラスチックごみの海洋流出量を国別に見ると日本は30位ですが、プラスチックの生産量を見ると、アメリカ、中国に続いて日本は

世界3位。そしてアジア諸国にプラスチック製品を大量輸出している国こそが日本なのです。

 

プラスチック特に海洋に流れ込むゴミは軽い素材の物が多いです。「ポイ捨て」「分別しない」「外に置きっぱなし」そういった

行動が海洋ごみに拍車をかけているのも事実です。自然が「海洋ごみ」の素をかき集める前に、人間がそれを減らしそして「管理」

して行く必要があるのだなと改めて感じました。

 

当プラスチックマーケットのネットワークで扱っているプラスチックは、「消耗品」ではなく、一定期間使用する前提の物が一般的

です。今回の「海洋ごみ」の原因になる物はほぼありませんが、逆に「海洋ごみ」の原因となる素材をアップサイクルして付加価値

付けをすることができます。「捨てたらごみでも管理して再生すれば価値を生み出せる」そういった形でお役に立てて行けたらとも

考えております。

 

↓↓

アップサイクル品(PETボトルキャップを粉砕した物を樹脂に入れて固めたもの)

↓↓

アップサイクル品2(PETボトル本体とアクリルを粉砕した物を樹脂に入れて固めたもの)