射出成形グループの近況
ロシアによるウクライナへの侵攻が先月末に明らかになりました。
連日の戦闘の状況をメディアで見るたびに、ロシアが一日も早くこの誤った選択を撤回し、戦争が収束に向かうことを願って
止みません。
この戦争が与える影響は世界中のさまざまな業界におよぶとされていますが、昨今の半導体不足にも深刻な打撃を与えかねない
という記事を見かけました。
半導体は携帯電話やノートPC、スマートホーム、自動車にまで至るまで、さまざまな製品の内部でデヴァイスを制御する頭脳
として機能しています。そんな半導体不足の原因として挙げられるのが、需要が拡大しているにもかかわらずコロナ禍で工場が操業
停止になってしまったことですね。2020年春以降で、5Gスマホ用(PMIC)、テレビディスプレイ用(DDIC)、自動車の制御装置
用(MCU)の半導体の供給が不足がちになっていたようです。
2030年には世界で100兆円産業にまでの成長が見込まれる「半導体産業」ですが(2020年時点では50兆円)、その成長に材料の
供給や生産が追い付いていない印象があります。そんな中、半導体にパターンを刻み込むレーザーの動力源となるネオンガスを製造
する会社がウクライナにあり、そのシェアは70%に及ぶとか。このネオンガスの供給が遅れたり、途絶えたりすると世界規模での
さらなる「半導体不足」になってしまう訳です。本当に深刻な影響と言えるのではないでしょうか。
話が広がってしまいましたので、一旦ここでプラスチックマーケットの協力工場における「半導体関連」のお仕事にフォーカス
してみたいと思います。「半導体関連」の製作物ですともっぱら「射出成形グループ」のお仕事になっております。
今の日本では「半導体不足」を解消するべく「半導体製品」の生産工場が各地で急ピッチで設立されているそうです。そんな
生産工場で使用される機械の部材、パーツ等を製作するお仕事がプラスチックマーケットの協力工場である「射出成形グループ」
内でかなり増えていると聞きます。もともと半導体部品に定評のあった「河村樹脂 北上工場」を筆頭に「河村樹脂 新横浜工場」
や昨年秋にグループに入った「港化成」と3拠点で分担しながら生産しております。
この「射出成形グループ」は、半導体関連だけに限らず、車載パーツや医療パーツ、空調備品や農業資材にOA機器パーツなど
あらゆる「産業系」のパーツをメインで生産しております。さらには何回かコラムでもご紹介させて頂いております
「バイオマス素材」を使ったプロダクト等も生産しております。こういった幅広い実績が評価されて、「半導体関連」パーツを
メインにコロナ禍も関係なく実績が年々上向いている訳です。
今後は、産業系で鍛えられた品質で製造するプロダクトにも積極的に取り組んで行きたい意向もあるそうなので今後の
「射出成形グループ」の動向も非常に楽しみです。(写真はあくまでイメージです)