紙+樹脂の再生材について
本日は「紙」と樹脂を組み合わせたリサイクルシートや素材を紹介させて頂きます。
「紙」の市場は2009年のリーマンショックを機に減少の一途をたどっていると聞きます。
種類別に見ると、「グラフィック用紙」(新聞+印刷・情報用紙など)が”ペーパーレス化”の影響で減少が続いているのに対し、
「板紙」(輸送用段ボールなど)の方は加工食品や家電向けで安定した需要があることやeコマースの普及で堅調に推移していると
か。コロナを機に、より一層この前者と後者の動きに拍車がかかってると言えそうです。
そんな「紙」のリサイクルは古くから行われていて、「再生紙」や「トイレットペーパー」などに生まれ変わらせておりましたが、
「紙」+「樹脂」でプラスチック代替となる素材も最近は増えてきております。プラスチックマーケットの協力工場で加工や製造が
できる「紙」+「樹脂」素材をご紹介させて頂きます。
①アコスターポリボード
再利用が難しい古紙(アート紙、ラミネート紙、感熱紙、雑誌)と廃プラスチック(合成繊維、不繊布。PET、PP、PE、ほか→
非塩ビ)をリサイクルした、環境に優しい素材です。建築・農業資材を皮切りにそのカラフルな見た目が支持されて店舗什器にも
採用されています。その耐水性を買われてソープ関連のブランドショップ様の水回りにも使用された実績があるそうです。
http://www.acouskk.co.jp/interior/hybridboard.html
また、コンセプトとしてお客さんに支持されたのが、西日本で鉄道会社で集まった使用済切符を粉砕して製作されたボードだとか。
よく見ると切符の文字や色がボードに細かく載っていてそのデザインとコンセプトが支持されるのも理解できますね。
ちなみにこちらのボードでの製作実績としては、プラスチックマーケットを運営するワーズウィズ社で店舗内装やテーブル天板
として納品したことがあります。仕入れるタイミングによって板の模様や色合いが若干異なるのですが、「リサイクル」という性質
上の個体差はお客様に事前にご理解頂いております。
②MAPKA
紙パウダーを主原料にポリオレフィン系樹脂をバインダーとして、ペレット化。射出成形、押出成形、シート成形、サーモ
フォーミングによる成形など、従来のプラスチック材料と同様に成形できる素材として開発されました。(紙パウダー51%)
MAPKAペレット↓↓
https://ecobioplastics.jp/products/mapka.php
その強みを挙げると
ⅰ)物性 → 低収縮、高剛性、耐熱性
ⅱ)成形性 → 従来のプラスチック成形機・金型での成形が可能
ⅲ)環境性能→紙製品扱いとなる為、燃えるごみ・燃やすゴミとして廃棄が可能
補足をすると主原料が紙のため、一般の樹脂と比べて燃焼カロリーが低く、焼却炉の負担が軽減されて地球に優しい製品と
言えます。MAPKAは一般汎用プラスチック (ポリプロピレン)と比べ温室効果ガスの排出量を約35%削減することが可能です。
先週のサスティナブルジャパンの紹介でも少し記載させて頂きましたが、プラスチックマーケットの協力工場である河村樹脂にて
チェーンを製作しております。植物由来のバイオマス素材の製品だけでなく、ナフサ原料の使用量の削減できる環境対応
製品も数多く生産することができます。
プラスチックマーケットではさまざまな種類のサスティナブル素材や循環システムをご用意して皆様のニーズにお応えできるよう
取り組んでおります。