PLACYCLE家具の製作(前編)
最近は暑さもおさまり、涼しくなってきました。連休もありますが、コロナの状況が続いているので出かけずに大人しく過ごす方も
多いかと思われます。マスクなしで大手を振って出かけられる時期が来るのが本当に待ち遠しいですね。
さて、ちょうど1ヶ月後の10/18から3日間、プラスチックマーケットの運営会社のワーズウィズ社は東京ビックサイトで開催される
第1回サスティナブルファッションEXPO秋に出展予定となっております。場所は西1ホールの入口付近のA3-6小間になりますので、
お時間のある方はぜひともお立ち寄り頂けたら幸いに思います。
https://www.fashion-tokyo.jp/ja-jp/shows/sus.html
ワーズウィズ社では以前からサスティナブルの取り組みとして、アクリルを中心とした樹脂素材の再生に取り組んでおります。
そのプロジェクトの名前は「PLACYCLE」。石油由来製品を最大で70%削減できるようなサスティナブルな循環システムづくり
を目指しております。
今回出展するPLACYCLE商品は、再生材を使用した家具やディスプレイです。ここでいう再生材とは、不要なアクリルを粉砕し
その粒とアクリル原液を混ぜ合わせて固めて製作されたものです。風合いを見ても大理石やTERAZOと見まがうほどの仕上がりが
期待できますね。
さて製作にあたっては、工場で出たアクリル端材を集める必要があります。プラスチックマーケットの協力工場の
「丸ノ内工芸」と「アート日向」で出た加工端材をかき集めて、回収業者様のところに持ち込ませて頂きました。
こちらの業者様では塩ビやPPやPEを専門で回収、粉砕をされておりますが、今回は当方が無理を言ってアクリルの
粉砕をお願いさせて頂いたところ、快く受けて頂けました。
↑塩ビ用粉砕機
↑PP・PE用粉砕機
塩ビ用粉砕機の方にアクリル端材を入れると粉砕は数分で済みました。その後、風を当てて異物除去したり循環させて
粉砕粒が出来上がりました。粒の大きさはだいたい5mm~8mm前後で取り出すと、ほんのりアクリル原料のMMAの香りが
します。すくって取り出しているとお米のようにも見えますね。
今回お願いしたのは小さめの物の粉砕でしたが、こちらの業者様では物流用のパレットや給排水で使用される塩ビ管や継手
と言った大型の廃棄物の粉砕の割合が多いのだとか。そんな大型の物を粉砕する場合は装置を変えて2段階で粉砕するとのお話
でした。粉砕されたチップは人の背丈ほどありそうな大きな布袋に詰められて、敷地の中に積み上げられておりました。
↑大物粉砕(第一段階)
↑大物粉砕(第二段階)
当初、PLACYCLE商品の想定の中には、アクリルの中にPP,PEが封入されている物も入っておりました。特にペットボトルキャップ
粉砕などは色がカラフルで、透明なアクリル樹脂の中に入っているととても彩りにあふれた表情を持つようになります。
ただ、「持続可能な再生」つまりサスティナブルの観点から見るとアクリルの中に違う素材の樹脂が混ぜ込まれていると処分時の
分別が困難で循環ができなくなるのため、PLACYCLEでは純粋にアクリルのみの循環に特化する方向となりました。
さて粉砕されたアクリルチップを持って今度は静岡県にあるアート日向に出向き、いよいよ家具の製作です。
W1500の大きなテーブル天板を製作するのですが、これくらいの大型の封入プロダクトは久しぶりになります。
その製作の模様はまた後編にてご紹介させて頂けたらと思っております。