2021.05.30

PLASTIC MARKETで扱える再生材

PLASTIC MARKETで扱える再生材

以前プラスチックとSDGsという記事をアップさせて頂いておりましたが、多少の反応を頂きましたのでもう少し突っ込んでご紹介させて頂きます。このPLASTIC MARKET上で扱える「再生材」は下記の通りとなります。

PLASTIC MARKETで扱える再生材

 

1.封入再生材・・・5/7コラムでご紹介したアート日向で製作する再生材ブロックです。「封入」とは液体状のアクリルの中に物を入れて固める技法で四角い型に流し込むことから別名「注型」技法とも呼ばれております。

この「封入」技法については追ってご紹介させて頂きますが、その長所と短所を上げさせていただきます。

■長所

①アップサイクルの可能性UP

この製法で粉砕したプラスチックを中に入れて固めて着色すると非常に見映えが良くなり、人造大理石Terrazzo風の柄の表現も

可能になります。

②廃棄プラの割合UPと樹脂の厚みUP

PLASTIC MARKETで扱う再生材の中でいちばん樹脂に廃棄プラスチックを混ぜることができます。(最大70%)

また、「封入」技法はブロック品の製造に向いているので厚み100mm以上の物も難なく製作できます。

■短所

①コストUP

本来、中に物を封入して固めてブロックを作る技法なので、コストや手間はいちばんかかります。

②サスティナブル目線で懸念あり

「持続可能」という点では課題が多いです。一度製作したブロックを廃棄する場合も、中の素材によっては

制約が出て来ます。

 

2.キャスト再生材・・・5/22コラムでご紹介したワーズウィズ埼玉工場で製作できるアクリルキャスト再生板です。

1枚のガラスの上に囲いを作り、液体状のアクリルを流し込んだ後にもう1枚のガラスでフタをして固定します。

そのガラス2枚を加熱して中のアクリルを固めてシートを製造します。(セルキャスト製法)

■長所

①コストが「封入」技法に比べて安価(1/3~1/4)

②サスティナブル目線でいちばん実用性が高い

粉砕したプラスチックを入れ込んで製作した板を 使用後に再度粉砕してキャストシーティングすることが

原理的に可能です。(あとは回収の仕組みづくりの課題をクリアする必要はあります)

■短所

①色の表現が不自由

こちらは様々な廃棄プラスチックを混ぜられる一方、板の色は狙って出せません。(黒は出せます)

クリア系統色は製作できません。

②廃棄プラの割合と樹脂の厚み

廃棄プラの割合は3種類中いちばん低く30%で、厚みも19tまでとなります。ただ、廃棄プラの割合を増やす試作は続けて

おります。

 

3.中国再生材・・中国のアクリルキャスト板工場DONCHAMPで製作しているアクリルキャスト再生材です。

DONCHAMPで加工中に出た端材を集めて溶かして液体にし、再度キャストシーティングして製作しております。

1,2が粉砕した廃棄プラを入れ込んでいるのに対し、こちらは廃棄アクリルを溶かして入れ込んでいます。

■長所

①コスト安

3つの再生材の中でいちばん安く入手できます。

②クリアや単色が製造できる

1,2が廃棄プラスチックを粉砕しているのに対し、こちらは溶かして入れ込んでいるのでクリア色や単色を製造する

ことができます。

■短所

①ロットが大きい

中国から仕入れる形なので仕入れのロットが大きくなります。

②サスティナブル目線で狭義

中国の特定アクリル工場内で出る端材を捨てずに再利用しているという点で、規模が小さいと言えます。

 

とりとめもなくそれぞれの再生材の長所・短所を書いてしまいましたが、それぞれこのスペックを上げるために

日夜開発中になります。進歩がありましたら逐一ご報告させて頂けたらと思います。