アクリルの注型加工について
以前ご紹介させて頂いた静岡にあるプラスチックマーケット協力工場のアート日向。
前述した通りよその工場ではできない特殊加工の実績を数多く有します。
本日ご紹介するのは特殊加工の中でもできる工場が極めて少ない「注型」加工について。
みなさまは透明なブロックの中に花や植物が入っているキューブをご覧になったことは
ありますでしょうか?
「一瞬を切り取って形に残す」そんなコンセプトでプロダクトやオブジェに使用されること
の多い技法で、「封入」加工と表現する方が一般的かもしれません。
液体アクリルを型に注ぎ、手間をかけてブロック(固体)を作り上げるので、成功できるか
が予想しづらい難易度の高い加工と言えますね。
なぜ難易度が高いかと言うとブロックを固める時に「熱」と「圧」を加えるため、中の
封入物がその影響を受けて変形・変質しやすくなるためです。(封入物の花や植物は「熱」
と「圧」の影響を受けづらい造花にするのが一般的です)
ジュエリーブランドのプロダクトを筆頭としたデザインプロダクト分野にはじまり、産業系
精密部品パーツまでこの「注型」加工で作り上げてきた製作物は多岐にわたります。今では
アート日向の圧倒的な強みになっているこの「注型」技術を支える職人は意外にも20代の
若手が中心となっております。先輩たちの技術を引き継ぎながらもそれを新しい感性でとら
えて独自のやり方を交えてチャレンジをして行く。そんなところにもその強みを十分に実感
できますね。
最後にSDGsの取り組みのコラムで記載させて頂いた「封入再生板」を製作している工場も
こちらのアート日向です。こちらの工場でのアクリル廃棄物排出量は約1.7t/月ほどありま
す。この廃材リサイクルや粉砕PETを樹脂に封入して奥行きのある豊かな表情の再生材を
製作することが可能になりますので、SDGsプロダクトにおいても同工場が担う役割は非常
に大きいと言えますね。またゆっくりご紹介させて頂けたらと思います。
当グループのSGDsの取り組みはこれからも継続して開発を進めて参ります。各工場がそれ
ぞれ課題に対して真剣に取り組んでおります。その様子を継続してお伝えして行けたらと思
っております。