2023.07.20

アクリル再生の秘密兵器┃粉砕機②

アクリル再生の秘密兵器┃粉砕機②

海の日といえば7月20日の印象がまだまだ強いように思うのですが

ハッピーマンデー制度により第3月曜日へと移動になったのは2003年だそうです。20年の歳月の早さに驚くばかりです…。

ちなみに「海の日」は日本独自の祝日で、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日として制定されました。

世界中でも海に関する記念日を国民の祝日としているのは唯一日本だけとか。

そんな日本で生活しているからこそ海洋プラスチック問題にも積極的に取り組みたいと、改めて思う三連休なのでした。

 

その第一歩が、当サイトにて何度も取り上げておりますアクリルの再利用やアップサイクルです。

そして、その再生アクリル板製造においてもっとも活躍するのが、以前もご紹介した「大型粉砕機」。

前回は性能のご紹介をさせて頂きましたので、本日はそれによって生まれたアクリル粉砕粒にフューチャーしてみたいと思います。

[過去コラム]粉砕プラント本格稼働

 

 

 

■粉砕できる素材

基本的にプラスチック系は可能です。

元々はPE、PP、PVCパイプやパレット等を粉砕する能力がある大型マシンですので、アクリル以外もバリバリいけます。

ブロワー工程を兼ね備えていますので、紙マスが混在していてもある程度は取り除くことができます。

ペットボトルの蓋やコンテナなどもこの通り。

 

 

金属やガラスは粉砕が難しく、また粉砕できたとしても加工の工程で悪さをしてしまう為、適しません。

(カット中に火が出たり、刃が折れてしまうそうです…工場が泣きます。)

また「粉砕」という特性上、どれだけ清掃しても粒や粉が残ってしまう可能性がある為、汚れている素材はNGとさせて頂いております。

 

 

■粉砕粒のサイズ=可能性

株式会社丸ノ内工芸にて以前より所有している小型の粉砕機では6φ~8φ程度が限界でしたが

大型粉砕機を導入したことによりアクリルは最小2φまで粉砕が可能となりました!これの何が画期的なのでしょうか?

 

 

再生材の製造方法にはいくつか種類がありますが、その中でもっともコストパフォーマンスが良いのは<キャスト製法>です。

上下2枚のガラスの間にMMAモノマー(液体状のアクリル)を流し込み硬化させる製法で、板厚は2、3、5mmが一般的となります。

(※株式会社ワーズウィズ埼玉工場では、特注品として厚材の製造も可能です。)

つまり、板厚を超えるサイズの粉砕粒を混入するとガラスが傷ついてしまうのです…。

今までは粉砕粒を長い時間掛けて溶解し製造していましたが、粉砕粒が小さくなったことでそれが容易になりました。

また、粒を模様として残すこともできるようになり製造の幅も広がりました。

 

 

■粉砕粒のサイズ=デザイン性

対して<封入技法>は元々ブロックを作る技術なので、中に物を閉じ込めるのは得意中の得意。

粉砕粒のサイズは問いませんが、サイズの幅が広がったことでデザインの幅も広がりました。

 

 

■粉砕機の強みと粉砕アクリルの役割

アクリルを粉砕し再生資材として使用するということは、廃棄されるアクリルを再利用すると同時に

バージン(新品)のアクリル使用量の削減=石油使用量の削減にも繋がります。

それこそが持続可能な社会への一歩。そして当サイトでは既に二歩、三歩先を目指しているのです…!

 

自社工場で粉砕ができる強みは、なんといっても小回りが利くこと。

例えば特定の企業様から回収した物だけを粉砕し、その企業様の製作物で使用すればブランドイメージに寄り添った

唯一無二の素材となりますし、色や種類などの細かな分類や、少ロットでの粉砕ができることなども利点として挙げられます。

当然、大型粉砕機にて一度に大量の作業が可能であることや、価格が抑えられるのも大きなポイントです。

 

 

個人的には、再生材であることはもはや大前提として、更に上のステップとしてデザイン性にもこだわりたいと考えております。

パステルカラーの化粧品容器ばかりを集めて粉砕し、白ベースで再生材を製造したら

バニラアイスに振りまいたカラーチョコスプレーのようでとても可愛いだろうなと思ったり…

しかし、なかなか実践できるチャンスがないのが実情です。そんなご相談やご依頼、お待ちしております。

 

 

次回は7/27(木)12:00p.m.更新、技術紹介┃封入技法です。またお会いしましょう~。