化粧品DPとキャスト再生材
もう12月、師走突入です。2021年も残り1ヶ月切りました。年末年始も変わらずお客様のお役に立てるよう取り組んで参りますので
お困り事等ございましたらなんなりとお声がけ頂けたら思っております。
前回「石油とプラスチック」回で触れましたが、アクリルキャスト板工場のワーズウィズ埼玉工場のトピックを紹介させて頂き
ます。
アクリル板には「押し出し板」と「キャスト板」があることには以前触れさせて頂きましたが、ガラスの間に液体の樹脂を流し
込んで固めて製作する「キャスト製法」でマーブル模様やラメを入れたアクリル板を製作しているのがワーズウィズ埼玉工場に
なります。(トップ画のような板)
キャスト板製作のワーズウィズ埼玉工場については、過去上記のようにご紹介しているのと再生材のトピックにも欠かさず名前を
出させて頂いております。
そのワーズウィズ埼玉工場では、来年1月12日からビックサイトで開催される「化粧品開発展・東京」用の板製作が佳境に入って
おります。ワーズウィズ社が初出展するのですが、今回のテーマとして「サスティナブル」をメインに掲げており、その展示
サンプル用の「キャスト再生材」作りを行っている訳です。
PLACYCLEスタート! – プラスチックマーケット | アクリルや合成樹脂加工のトータルネットワーク (plasticmarket.co.jp) |
※このコラムのPLACYCLE TYPE-Bがキャスト再生材です。
国際サスティナブルファッションEXPO2021秋に出展した時のワーズウィズ社のメインはPLACYCLE TYPE-Aの封入再生材
でした。アクリル粉砕「粒」が見えてさながら「石」や「大理石」のような風合いになるため、家具や什器の天板にしたところ
かなり映えましたね。
今回の化粧品開発展でメインに打ち出す再生材がTYPE-Bのキャスト再生材になった理由として、【スペック】【コスト】
【量産性】が挙げられます
【スペック】
TYPE-Aの封入再生材で板(ブロック)を製作した時はアクリル粒が残りますが、TYPE-Bのキャスト再生材で板を製作すると
中のアクリル粒が溶けてほとんど見えなくなります。化粧品の面板として使用される板は「粒」が残った状態よりも「粒」が
溶けて見えなくなった単色(黒、白、クリア)の方が良いため、TYPE-Bの方が適している訳です。
TYPE-B キャスト再生材
ただ、TYPE-Bも「粒」が全く見えなくなる訳ではありません。溶け残った粒や粉砕チップに混ざってた異物や他の色のアクリル片
がうっすら見えてしまうのです。黒色の板ならまだ問題ありませんが、難しいのが白色とクリア色です。今まさにワーズウィズ埼玉
工場ではその「白色」「クリア色」の攻略に奮闘しております。現状サンプルを見るたび「粒」が見えづらくなって来てますので、
いよいよ手ごたえを感じている状況ですね。
【コスト】【量産性】
TYPE-Aと比べるとその材料コストは1/3で済みます。その差はやはり「手間」の違いですね。TYPE-Bはアクリルキャスト板なの
で、定型サイズ(750×600mm)で10枚ロットで製作されております。かたやTYPE-Aは「封入技法」なので「ブロック」状で少量
しか製作できません。この違いがコスト、そして量産性に影響する訳ですね。
板が仕上がってはじめて展示サンプルが製作できるので、今週来週がTYPE-Bキャスト再生材作りの山場になります。
ワーズウィズ埼玉工場の奮闘は続きます。
そしてPLACYCLEの循環スキーム作りも並行して進んでおります。もうすでに2ブランド様分の不要ディスプレイを回収して
粉砕して、再生材を製作することができております。そちらの確立のメドがついたら改めてご報告させて頂きます。
来週はプラスチックマーケットの協力工場である河村樹脂をはじめとした射出成形チームが高機能プラスチック展内の
サスティナブルマテリアル展に出展いたします。自分も1日行く予定ですので、次回はそちらの内容をレポートできたらと思って
おります。
展示会名>高機能プラスチック展内/第1回サスティナブルマテリアル展
場所>幕張メッセ6ホール41-28/株式会社河村樹脂
日時>12月8日(水)~10日(金)